Steve Jobs by Walter Isaacson
- アップルの創業者の一人であるスティーブ・ジョブズは、おそらく最も多くの人に影響を与えた起業家ではないでしょうか。
- ジョブズといえばアップルですが、実はピクサーもジョブズが興した会社ですし、新しい形のビジネスを作りマネタイズにも成功するという大変難しいことを、二度も成し遂げています。
You build a company that will still stand for something a generation or two from now. That’s what Walt Disney did, and Hewlett and Packard, and the people who built Intel. They created a company to last, not just to make money. That’s what I want Apple to be.
出典:Steve Jobs by Walter Isaacson - ジョブズ自身の言葉ですが、世のためになる会社を興して、それを長く続けたかったのですね。
- ウォルター・アイザックソンによってじっくりと書き込まれた本書は、ジョブズの情熱や想いが詰め込まれた素晴らしい伝記です。
「スティーブ・ジョブズ」の著者
ウォルター・アイザックソン
「スティーブ・ジョブズ」のページ数
「スティーブ・ジョブズ」の発売日
「スティーブ・ジョブズ」の読みやすさ
英語学習のレベル 中級〜上級
英語レベルは、上級寄りかなと思います 。
ウォルター・アイザックソンはタイム誌の編集長だっただけあって、ウィットに富んだ表現豊かな文体です。
本書は、大人な感じの英語を学ぶのに非常に良い素材だと思います。
「スティーブ・ジョブズ」はどういう人向きの洋書?
おそらくスティーブ・ジョブズを全然知らない人は、あまりいないのではないでしょうか。ですが、本書に書かれたことは案外知らないことが多いのではないかと思います。
現在のスマホに多くを依存した我々の生活の元を作ったのはどういう人物なのか、ジョブズが世の中の流れをどうやって変えていったのか、そこに興味がある方はぜひ読んでみてください。
また、本書には学ぶべきことが多く含まれていると思います。
アイザックソンのインタビューは多岐にわたり、書かれている内容も非常に濃いです。ジョブズというひとつの時代を作った人物の生涯は読むに値するものですし、いろいろな意味でビジネスの醍醐味が感じられます。
若いビジネスマンの方は、読んで損はないと思います。
「スティーブ・ジョブズ」へのコメント
白状すると、僕はジョブズとアップルの大ファンです。なので、この記事にはバイアスがかかっているかもしれませんが、そこはご容赦を…。
ジョブズが率いていたアップルはカッコよかった
どうでしょう。「会社」に、カッコいいとか、何か素晴らしいことをやってくれるのではないかという夢を感じるって、あまりないことではないかと。
正直、僕はジョブズが率いていたアップル以外の会社に、そこまでの期待を感じたことはないです。
製品に魅力があったのは間違いないのですが、それと同時に「1984」のCMや、「Think Different」のキャンペーンなどには、何かやってくれそうなワクワク感を感じていました。
そういう意味でジョブズの率いるアップルは、会社であり、また会社以上のものであったように思います。
初代マックの頃のアップルは割とマニアックな存在
ジョブズがアップルに復帰して「Think Different」キャンペーンを打ったあたりからのことは、皆さん記憶にあるのではないかと思いますが、それ以前のことは割と知らないのではないかと。
初代マックの頃は、やはりまだマニアックなファンが多い時代で、一般の人にはそれほどの知名度ではなかったですよね。
もしかしたら、90年代後半になって、ようやくテクノロジーがジョブズの理想を実現できるレベルに追いついてきたということもあるかもしれません。
初代マックの頃は、理想を実現したくてもできず、もがいていた感も少しあります。
企業人というよりアーティストのような強烈な個性
ジョブズ自身は、かなり片寄ったところもある人物だったことは確かなようで(本書には悪い面も包み隠さず書かれています)、結構多くの人が付いていけないこともあったみたいですね。
一方で人を引きつける非常に魅力的な側面があったり、理想を最後まで追求する姿勢がiPhoneのような製品を産んだことも確かです。
そのアーティストのような強烈な個性が、アップルという企業のDNAになっていたんですよね。
だからアップルのコンピュータが、音楽や映像などのアーティスティックな世界で受け入れられていったのは極めて自然なことだったのでしょう。
しかし、いずれにしても本書を読むと、ジョブズが成し遂げたこと、フルスピードで人生を駆け抜けたことに感銘を受ける方が多いのではないでしょうか。
アイザックソンはジョブズのことを、こんなふうに表現しています。
Was he smart? No, not exceptionally. Instead, he was a genius. His imaginative leaps were instinctive, unexpected, and at times magical.
出典:Steve Jobs by Walter Isaacson
類まれなビジョナリーであったジョブズ。
そしてそのビジョンを形にして、企業という枠組みの中で実現することができた稀有な存在。
こういう人はそう簡単には現れないんでしょうね。
「スティーブ・ジョブズ」の日本語版
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