ワーク・シフト 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図

The Shift: The Future of Work is Already Here

  • ロンドン・ビジネススクール教授、そして英タイムズ紙の選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」のひとりでもあるリンダ・グラットンの予測する近未来の働き方
  • ある朝、息子の進路に対する質問に満足に答えられなかった著者は、絶え間ない変化が訪れる時代に、多くの人が未来の仕事のあり方について知りたがっていることに気づき、探究の旅に乗り出します
  • 2025年に人々はどのように働いているのか?
    著者は「漫然と迎える未来」と「主体的に築く未来」の二通りの未来を描き、明るい未来を作っていくための3つの働き方のシフトを提案します
  • 「ライフ・シフト」で、人生100年時代の到来による人生設計の見直しを提唱した著者が提示する働き方の未来像

The Shift: The Future of Work is Already Here

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「ワーク・シフト」の著者

リンダ・グラットン

「ワーク・シフト」のページ数

384ページ (ペーパーバック)

「ワーク・シフト」の発売日

2011年5月12日

「ワーク・シフト」の英語学習レベル(読みやすさ)

英語のレベル 中級

英語レベルは、中級です。 

とてもフランクな語り口調で書かれていますので、分かりやすい英語と言って良いと思います。

「ライフ・シフト」も同じタイプですが、何人かの架空の登場人物の生活が具体的に描かれていて、それに対して論評が加えられていくという展開です。ある意味極めて描写的であり、抽象的な部分が少ないこともあり、読みやすいのではないでしょうか。

単語もそれほど難しいものは出てこない印象です。

逆に、これぐらいの単語の組み合わせでも、十分に複雑な内容を語ることはできるのだという良いお手本のような英語ではないかと思います。

そういう観点で、同じ著者の「ライフ・シフト」は敢えて初級に分類したのですが、こちらも初級レベルでも大丈夫ではないかと思います。

「ワーク・シフト」はどういう人向きの洋書?

本書は、リンダ・グラットン教授が、2025年という近未来における働き方を提示してくれる内容です。
その内容からしても、30代ぐらいまでの若いビジネスマンの方にはおすすめだと思います。

2011年に書かれた本ですので、実は少し前になります。
2011年から見た2025年なので、2020年の現在から見ると、若干、予測にズレがあるのは避けられませんが、そこを差し引いても参考にすべき点は多くあると思います。

英語も分かりやすく、英語学習という面でも非常に良い材料だと思います。
ここで示されている何人かの登場人物を題材にしてディスカッション、みたいな使い方もありかもしれませんね。

「ワーク・シフト」へのコメント

著者は、未来の働き方を考える上で、次の5つの要因が重要だと指摘しています。
❶ テクノロジーの進化
❷ グローバル化の進展
❸ 人口構成の変化と長寿化
❹ 社会の変化
❺ エネルギー・環境問題の深刻化

そして、これらの要素を踏まえて未来の働き方を考えたときには次の3つが重要だと説いています。
1.連続スペシャリストになること
2.人的ネットワークを築くこと
3.消費より経験に価値を置く生き方

どれもそれなりにハードルが高いような気もしますが、でも、おそらくこうしたある意味当たり前のことに正面から取り組むことが求められるのでしょう。

本書では、こうした論点を丁寧に詳細に解説していますので、ぜひ実際に読んでご自分の見解を持つことをおすすめします。


「ワーク・シフト」の予測は当たっている

著者の予測のうち、アバター利用と人工知能アシスタントはあと5年でそうなるかちょっと分かりませんが、概ね、本書の予測は当たっているように思われます。

働き方ということでは日本も変わりつつあることは確かですよね。

自分の周りを見てもZ世代の大企業離れは相当進んでいるように思えますし、インターネットを駆使して、まさにここで論じられているような働き方をしている人が実際に出現しつつあります。

優秀でかつ自分をよく見つめている人ほど、著者の描く「主体的に築く未来」に近づき、優秀でも周りに流されやすい人、あまり考えていない人は「漫然と迎える未来」へと流されていっているように、確かに見えます。

「ワーク・シフト」には多くの人の知見が集積されている

世界中で、格差が開き、貧困が忍び寄っていることは、残念ながら事実であるように思います。

そういう世の中で、本書のような本を読むことは、やはり価値があるのではないでしょうか。

予測の細かい当たり外れはともかく、あなたが自分の未来をどちらに持っていけるか、明るい未来に持っていける確率を高めるために読んでおいて損はない。

そういう本だと思います。

著者は、ロンドン・ビジネススクールで「働き方の未来コンソーシアム」を立ち上げ、そこに参加した多くの人たちの知見を集めて本書の予測を作り上げています。

そういう観点では、これは決して著者の独りよがりではなく、多くの人のアイデアの集積であり、そこには30以上の国の多様なコミュニティの考えが反映しています。

つまり、ここにはかなりの価値があると考えて良いものだということです。

「ワーク・シフト」の描く仕事の未来像はもう間近に

現在の日本企業の上層部には、過去のやり方、働き方で成功した人たちが、まだかなりの数います。

また、日本の大企業では今はX世代の影響力の方が大きいと思いますが、しかしながら、そうした企業の多くが、成長シナリオをうまく描けなくなっているように見えます。

そして未だに日本では大企業信奉が残っているようにも思えますが、変われない大企業には苦しい道のりが待っているだけのようにも思えます。

本書が示しているように、GAFAのような「メガ企業」と「ミニ起業家」が築くエコシステムの方が、近未来ではあり得そうな気がするのは私だけでしょうか。

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