Shoe Dog: A Memoir by the Creator of NIKE
- ナイキの創業者フィル・ナイトの自伝だが、面白い小説を読むかのような臨場感に溢れた痛快な作品。
1962年のあの日の朝、私は自分にこう言い聞かせた。馬鹿げたアイデアだと言いたい連中には、そう言わせておけ……走り続けろ。立ち止まるな。目標に到達するまで、止まることなど考えるな。”そこ”がどこにあるかも考えるな。何が起ころうと立ち止まるな。
大学の最終学年のセミナーで、私は靴に関するレポートを書いた。日本のランニングシューズには大きな可能性があると思ったのだ。卒業後に私は世界を放浪する旅に出かけ、その途中で日本に立ち寄った。オニツカを訪問し、ビジネスを始めるのだ。
出典:「SHOE DOG(シュードッグ)ー靴にすべてを。」フィル・ナイト - これを読むと、ちょっとナイキのシューズを見る目が変わるかもしれません。もちろん、良いシューズなわけですが、なんだかそれ以上に共感してしまいそうになるというか。
そういう魅力を持った本です。
「シュードッグ」の著者
フィル・ナイト
「シュードッグ」のページ数
「シュードッグ」の発売日
「シュードッグ」の読みやすさ
英語学習のレベル 初級〜中級
英語レベルは、中級ですが、初級でもちょっと頑張ればいけるかと思います 。
基本的に、それほど難しくはないです。フランクに、時にはくだけた感じで、軽妙に語られていきます。
基本は著者の回想で、起こった事柄が書かれているので、内容的には難解なところはまったく無いと言って良いかと思います。
「シュードッグ」はどういう人向きの洋書?
20代から30代の若い人には、ぜひ読んでもらいたい本です。
何だか勇気をもらえる本だと思います。何かに迷っているとか、今一つ前に踏み出せないとか、そういう悩みを持っている人に読んでもらいたい。
イノベーションだとかディスラプションだとか、難しいことはいいからとにかく動けと。時には、理屈や理論ではなく、感覚や自分を信じることの方が余程大事だったりするということを思い出させてくれます。
英語はストレートで分かりやすいですし、話の面白さも抜群なので、洋書の取っ掛かりとしてもすごく良い本だと思います。
これはベストセラーになるわと、読んだら分かります。
「シュードッグ」へのコメント
ナイキの創業者フィル・ナイトの痛快な自伝
とにかく読んで痛快な気持ちになります。
ある意味、半沢直樹と似たような感覚かもしれません。でも、これはフィクションではなく、本物のドラマなんですよね。そこがすごいです。
自身も陸上ランナーだったフィル・ナイトは、日本のオニツカ(現在のアシックス)のシューズに可能性を見出し、オレゴン大学時代のコーチであったビル・バウワーマンと組んで会社を興します。
「シュードッグ」には日本人も多く登場します
オニツカ、そして日商岩井。
ナイキの成功物語には、多くの日本人が関係しています。プラスの関わり方もあれば、マイナスの関わり方もあります。
どこがどういうふうに関わっていたかは、ぜひ本書を読んで確かめてください。プラスの関わり方をしている日本人には、同じ日本人としてとても誇らしい気持ちになると思います。
そして思うのは、本当に大きなことを成し遂げるには、ルールとかコンプライアンスとか、そういう物を超えたところに大事な物があるのだなということです。それは単にそういうものが要らないと言っている訳ではなく、時にはルールに縛られない判断も必要だということ。
フィル・ナイトらが、難局を乗り越えていく姿をみていると、すごくそう思います。
「シュードッグ」はコンプラ的にはNGばかり😅
このナイキ創生の物語は、現在の基準でいったら、コンプライアンス的にNGなことだらけです(笑)
でも、だからこそ面白いです。
何度もピンチが訪れて、それを何とか乗り越えていくためには、なりふり構わずできることは何でもやって。やっぱり理想に向かって突き進むにはエネルギーが要るのだなと。
そして、ピンチを乗り越えて展望が開けた時の高揚感は最高ですね。この本はそういう感覚を何度も味わえるのです。
何でも最初から完璧なものは無い
本書を読むとよく分かるのですが、ナイキのシューズも最初から完璧だった訳ではないということ。かなり試行錯誤を繰り返して改良していっています。
大抵の場合、一般の人が会社の存在を知るのは、それなりに大きな規模になってからで、小さい頃の苦労を垣間見る機会というのは、あまりありません。
本書は、そういった初期の苦労を赤裸々に語っているので、すごく興味深く面白いです。そして、これから何かを立ち上げたいと思っている人には滅茶苦茶参考になるのではないでしょうか。
最初はダメなところがいっぱいあっても構わなくて、どこかに光るものがあるのであれば、それを磨き続ければ良いと、そうフィル・ナイトは言っているような気がします。
一押しの本です。