その結果、延べ1600万回以上の移動が記録されましたが、その行動範囲の分布は驚くほど限定されていたそうです。
出典:https://www.afpbb.com/articles/-/2400759
実験結果では、日常的に170キロを超える長距離を移動している人は全体の3%以下で、大多数の人が継続的に訪れる場所は、決まった地域内の数カ所に限られていたそうです。
自分を振り返ってみると、確かにそうですね。家と会社の往復がほとんどですね。うーむ、かなり単純だな…。
ちょっと話は跳びますが、採用活動などで学生さんとお話する機会があったときに、彼らに質問をしてみました。
『もしあなたが、自分とは意見の異なる面識もない複数の人と仕事を進めなければならなくなったとしたら、どうしますか?』
答えはいつも、ほぼ同じで…
『飲みに行ったりして、まずは仕事とは関係のない趣味の話などから共通の話題を見つけて、少しずつ人間関係を築きます』
ふーむ、なるほどと思いました。
学生さんの行動範囲や行動パターンを考えてみると
- 行動範囲は家と学校、バイト先など
- 親しい関係者は両手で数えられるぐらいの仲の良い友人が中心
ということだとすると、新しい関係者とどうしていくかという質問に対して、思い浮かぶのは「新しい友人を作っていく」という時のパターンなのかなと。
まぁ、最近はSNSでフォロワーがすごくいっぱいいますみたいな人もいるかもしれませんが、しかし実際本当に仲の良い友人はそれほどの数はいないでしょうしね。
関係者の数が両手では足りず、一人ひとりとプライベートな関係を築くということなしに、それでも同じ目的を達成しなければならないという経験をしている学生は少ないかもしれないですね。
彼らの答も、もちろんNGな訳ではないのですが、やはり発想は行動範囲や行動パターンに縛られる部分があるのだなと。
裏を返せば、新しい発想を得るには、行動範囲や行動パターンを変えるというのがひとつ手っ取り早い方法かもしれません。
新しいところに行ってみる、普段やらないことをやってみる。
そうすれば新しい出来事から刺激されて、何か素晴らしいことを思いつくかもしれません。
これって当たり前のことだと思うかもしれません。
しかしながら、ネイチャー誌の実験結果にあるように、ほとんどの人は同じ行動範囲、行動パターンの中にハマっているようです…。
毎日忙しいし、日常生活って奴に流されちゃうんですよね。
そういう流されがちな日常生活の中で、少しでも自分の範囲から抜け出す現実的な方法のひとつが「本を読むこと」だと思います。
例えば通勤電車で本を読めば、いつもの通勤電車の時間に仮想的に自分の行動範囲や行動パターンから抜け出すことができる訳です。
これって素晴らしいことだと思うのですが、どうでしょう?
ちょいと余談でした。