Factfulness: Ten Reasons We’re Wrong About The World – And Why Things Are Better Than You Think
- 全世界200万部のベストセラー
- ビル・ゲイツは2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたそうです
- 世界の人々が、いかに間違った見方で世界を認識しているのかということを、データを基に、様々な角度から示してくれます
- ときどきはさまれるエピソードが面白く、飽きずに読み進められます
- 著者の人柄が出ているのかもしれませんが、読後感がとても良い本です
「ファクトフルネス」の著者
ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
「ファクトフルネス」のページ数
「ファクトフルネス」の発売日
「ファクトフルネス」の読みやすさ
英語学習のレベル 初級
英語は初級レベルです。
概してビジネス書は小説に比べ、英語は読みやすいことが多いですが、本書はその中でも特に英語的には簡単な部類に入るのではないでしょうか。
とにかく簡単な英語です。
初心者でも特に読むのに苦労はしないのではないでしょうか。
すごくStraightforwardな英語なんです。
これはハンス・ロスリングさんの人柄なんでしょうか。
ユーモアが感じられる語り口といいますか、きっとこの方はお茶目な人だったんだろうなという印象で、率直に語られています。
ですので、内容はものすごく興味深い内容ですが、それに加えてまったく構える必要のない英語なので、おすすめです!
「ファクトフルネス」へのコメント
剣飲み名人!
イントロダクションは著者のひとりハンス・ロスリングの剣飲みの話から始まります。
なんと2012年にタイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人の一人にも選ばれているハンス・ロスリングは、剣飲み名人でもあるんですね!
いきなり上手いツカミで始まる本書は、最後まで興味を持って読み進められる題材が多く出てくる面白い本です。
みんな世界を誤った見方で見ている
第10章まで、世界の見方を間違えるもとになる10個の本能について、豊富なデータを使って解説されていきます。
著者が数十年に亘って繰り返してきた世界の事実についてのクイズの回答を集計すると、正解率はたったの7%しかないとのこと。
世界中の人々はかなり誤った見方で世界を認識しているようです。
ひとつだけの例外は地球温暖化についての質問で、これだけは86%の正解率だったそうで、ということは逆に温暖化は間違いようがないほど進んできたということかもしれませんね。温暖化恐るべし。
我々はチンパンジーに勝てない
この3択クイズの正解率はチンパンジーがランダムに答を選んだ時の33%よりもかなり低い。
つまり単純に間違っているというより、人々の世界の見方には、かなりバイアスが掛かってしまっているということです。
これは高学歴で優秀でも、地位が高くても関係なく、同じように正解率は低いそうです。
なぜかといえば人間の脳の働きとして、自然と「ドラマチックな世界の見方」をしてしまうのではないかと著者は仮説を立てています。
危険を避けるための本能的な脳の働きとして、物事を瞬時に判断して、ドラマチックに仕立てて見てしまう傾向があるのでは、ということですね。
人間は進化の過程で、何百万年もの間、そうやって危険を察知して生き延びてきたことから、そういった思考回路が脳に結線されているということです。
あなたはチンパンジーに勝てるのか?
そうした本能に対抗する手段として、著者はこの本で誤った世界の見方を減らし、世界には可能性があふれていることに気づいてもらいたいと言っています。
実際に示されるデータが示すことは明確で、我々がドラマチックなほど明らかな勘違いをしていることはいっぱいあるようです。
いくつか自分も含めて結構な思い込みをしていたりすることに気付くだけでも、この本には大きな価値があるのではと思います。
さて、あなたはハンス・ロスリングの質問に何問正解できるのでしょうか?
果たしてチンパンジーには勝てるでしょうか?
チンパンジーはかなり強敵ですよ!