引退したポアロがやってきた平和な田舎の村。野菜作りに励んでいたポアロだが、殺人事件の捜査に巻き込まれて…。
クリスティが仕掛けたトリックの中でも、これは最高ではないかと。
推理小説ファンの間でも論争を巻き起こしたという作品ですが、推理小説の金字塔のひとつと言って間違いないでしょう。
絶対ネタバレ厳禁の作品。
「アクロイド殺し」の著者
アガサ・クリスティ
「アクロイド殺し」のページ数
「アクロイド殺し」の読みやすさ
英語学習のレベル 初級
クリスティは読みやすいです。
一つひとつの文は短めで、テンポ良く語られていきます。
いつも通り、クリスティの文体は非常に明快です。
単語も凝ったものは少なく、ほどほどに難しい単語が出てくるかもしれませんが、それで読みやすさが損なわれるというほどではないです。
文体や特徴
今回はポアロの相棒役である、シェパード医師がストーリーを語る形です。
会話と情景描写がバランスよく配置され、他のクリスティ作品と同じく、読み易いです。
クリスティの作品はどれも会話が上手く配置されており、会話で場面を構成していくところも多いです。
必要な情報が会話で上手く提供されるので、あまりストレスを感じないで理解できるのかもしれません。
「アクロイド殺し」の主要登場人物
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Hercule Poirot エルキュール・ポアロ
ベルギー人の私立探偵Roger Ackroyd ロジャー・アクロイド
殺されたお金持ちの地主Ralph Paton ラルフ・ペイトン
ハンサムなロジャーの義理の息子Cecil Ackroyd セシル・アクロイド
ロジャーの義妹Flora Ackroyd フローラ・アクロイド
セシルの娘、ラルフと婚約Geoffrey Raymond ジェフリー・レイモンド
ロジャーの秘書の青年John Parker ジョン・パーカー
ロジャーの執事Elizabeth Russell エリザベス・ラッセル
アクロイド家の家政婦Ursula Bourne アーシュラ・ボーン
アクロイド家の小間使いHector Blunt ヘクター・ブラント
ロジャーの友人の狩猟家Mrs Ferrars フェラーズ夫人
亡くなった未亡人James Sheppard ジェイムズ・シェパード
医師、ポアロの相棒役Caroline Sheppard キャロライン・シェパード
ジェイムズの姉Miss Gannet ガネット
キャロラインの友達、噂好きCharles Kent チャールズ・ケント
事件当日に現れた謎の男Mr Hammond ハモンド氏
ロジャーの弁護士Inspector Raglan ラグラン警部 Colonel Melrose メルローズ大佐
州警察の本部長
洋書で読むときのヒント
ポアロは引退してやってきたキングス・アボット村で、この事件に巻き込まれます。
第1章、第2章の背景説明、登場人物説明的なところを抜けると、第3章でポアロが登場し、少しずつ物語が動き出します。
そして第4章で殺人事件が起こります。
この辺りまで行けば、あとは読み進められる可能性大です!
第1章 Dr Sheppard at the Breakfast Table
今回の相棒役、シェパード医師が登場。
姉のキャロラインと亡くなったフェラーズ夫人の噂話を交わします。
第2章 Who’s Who in King’s Abbot
物語の舞台、キングス・アボット村の説明。
そして、ロジャー・アクロイドと、その関係者の説明です。
第3章 The Man Who Grew Vegetable Marrows
シェパード家の隣人としてポアロが登場します。
第4章 Dinner at Fernly
アクロイド家での夕食に呼ばれたシェパード医師が出かけます。そこでフローラからラルフ・ペイトンと婚約したと告げられます。夕食後、シェパード医師はロジャーから、フェラーズ夫人の秘密と、夫人が脅迫されていたことを教えられます。そして、その夜、ロジャーは殺害されてしまいます。
第5章 Murder
アクロイド氏が殺されたという電話を受けたシェパード医師は、アクロイド家に駆けつけます。警察も呼ばれ、現場検証が始まります。
この辺りから、一見平和な村にも裏にはいくつもドラマが隠されているのが次第に分かりだします。
それにしても、名探偵というのは、結局のところ事件に巻き込まれるのですね…。
第6章 The Tunisian Dagger
第7章 I Learn My Neighbour’s Profession
第8章 Inspector Raglan is Confident
第9章 The Goldfish Pond
第10章 The Parlourmaid
第11章 Poirot Pays a Call
第12章 Round the Table
第13章 The Goose Quill
第14章 Mrs Ackroyd
第15章 Geoffrey Raymond
第16章 An Evening at Mah Jong
第17章 Parker
第18章 Charles Kent
第19章 Flora Ackroyd
第20章 Miss Russell
第21章 The Paragraph in the Paper
第22章 Ursula’s Story
第23章 Poirot’s Little Reunion
第24章 Ralph Paton’s Story
第25章 The Whole Truth
第26章 And Nothing But The Truth
第27章 Apologia
出典:「Murder of Roger Ackroyd」 Agatha Christie
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