アガサ・クリスティ絶頂期に書かれた名作「そして誰もいなくなった」。
彼らを招待した人物は現れず、その代わりに過去の罪を告発される客たち。
そして出ていくことのできない孤島を舞台に、次々と起こる殺人事件。彼らは一人、また一人と、古い童謡の歌詞通りに殺されていく。
犯人は誰なのか、次は誰が犠牲に？
疑心暗鬼と緊張の中で追い詰められていく客たちだが…。
「Soldier Island」で一体、何が起こったのか⁈
緊迫感あふれる展開に、一気読み必至！
「そして誰もいなくなった」の著者
アガサ・クリスティ
「そして誰もいなくなった」のページ数
「そして誰もいなくなった」の読みやすさ
英語学習のレベル 初級
クリスティの文章は読みやすいです。
一つひとつの文は短めで、テンポ良く語られていきます。
アガサ・クリスティの作品がこれだけ多くの人に愛される理由は、そのトリックの素晴らしさはもちろんですが、隠れた理由のひとつに、この簡潔な文体による読みやすさがあるのではないかと思います。
文体や特徴
推理小説って難しいのではと思ったら、意外に読みやすい。
登場人物それぞれの状況や考えていることなどが交互に出てきて、ストーリーが進んでいきます。
会話も多いので、進みやすいタイプです。
この作品は舞台設定がシンプルで、状況も分かりやすいので、そういう観点からも話に集中するのが容易なのではないかと思います。
洋書で読むときのヒント
物語の面白さと、その程よい長さで、初心者におすすめの洋書です。
ここでは、洋書初心者の方むけに、各章の概要と、第１章、第２章の難しめの単語について説明します（ネタバレにはなりませんのでご安心ください）。
第３章、第４章以降から、グングン面白くなるので、その辺りまで挫折しなければ、完読の可能性はかなり高まると思います。
第1章
全部で10人いる主要登場人物のうち、執事のロジャーズ夫妻を除く8人の紹介的な章。順番に登場人物一人ひとりが描写されていきます。8人が島に来ることになった背景と、8人のキャラが描写されます。
細かいことは気にせず、とりあえず8人の大まかな雰囲気がつかめればOK。
第2章
登場人物が顔合わせするシーンから始まり、一行はボートで物語の舞台となる島へと運ばれます。島では Mr Owenの執事とその妻に迎えられ、ここで10人の登場人物が出揃います。
この章に件の童謡が出てきます。この内容が分かっていると、後の話が理解しやすくなりますので、アコーディオン・ボックスを開いて確認してください。
- Ten little soldier boys
- Ten little soldier boys went out to dine;
One choked his little self and then three were Nine.
Nine little soldier boys sat up very late;
One overslept himself and then there were Eight.
Eight little soldier boys traveling in Devon;
One said he’d stay there and then there were Seven.
Seven little soldier boys chopping up sticks;
One chopped himself in halves and then there were Six.
Six little soldier boys playing with a hive;
A bumble bee stung one and then there were Five.
Five little soldier boys going in for law;
One got in Chancery and then there were Four.
Four little soldier boys going out to sea;
A red herring swallowed one and then there were Three.
Three little soldier boys walking in the zoo;
A big bear hugged one and then there were Two.
Two little soldier boys sitting in the sun;
One got frizzled up snd then there was One.
One little soldier boy left all alone;
He went and hanged himself and then there were None.
小さな兵隊さんが十人、ご飯を食べにいったら
一人がのどをつまらせて、残りは九人
小さな兵隊さんが九人、夜ふかししたら
一人が寝坊して、残りは八人
小さな兵隊さんが八人、デヴォンを旅したら
一人がそこに住むって言って、残りは七人
小さな兵隊さんが七人、まき割りしたら
一人が自分を真っ二つに割って、残りは六人
小さな兵隊さんが六人、ハチの巣をいたずらしたら
一人がハチに刺されて、残りは五人
小さな兵隊さんが五人、法律を志したら
一人が大法官府に入って、残りは四人
小さな兵隊さんが四人、海に出かけたら
一人がくん製のニシンにのまれて、残りは三人
小さな兵隊さんが三人、動物園を歩いたら
一人が大きなクマにだきしめられて、残りは二人
小さな兵隊さんが二人、ひなたに座ったら
一人が焼けこげになって、残りは一人
小さな兵隊さんが一人、あとに残されたら
自分で首をくくって、そして、誰もいなくなった
出典：「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティー 早川書房
【この章に出てくる難しい単語】
第3章
ディナーが終わり、皆がやや寛いできた時に、突然に告発文が読み上げられます。告発は、10人がそれぞれ誰かの死に関わっていることを指摘します。そして、皆は自分たちが巧妙におびき寄せられ、誰も実際にはMr Owenを知らないということが分かります。
第4章
うろたえた皆は、それぞれ告発について申し開きをします。そして明日の朝、島を出ようということになります。
ところが、そこで一人めの犠牲者が…。
この辺りまで読み進めた方はもう大丈夫！残り部分も難易度は変わりませんので、最後まで物語を楽しんでください！
第5章
【難しい単語】
potassium cyanide 青酸カリ
第6章〜第16章
エピローグ
主要登場人物
- 登場人物紹介はクリック→
-
Mr. Justice Wargrave
ローレンス・ウォーグレイヴ
元判事Vera Claythorne ヴェラ・クレイソン
美人の体育教師Philip Lombard フィリップ・ロンバード
元陸軍大尉Miss Emily Brent エミリー・ブレント
潔癖な感じの高齢の婦人General Macarthur マカーサー
退役した将軍Dr Armstrong アームストロング
医者(富裕層相手で儲けてるっぽい)Tony Marston トニー・マーストン
スポーツカーを乗り回す若い男性Mr Blore ブロア
元警部で探偵(最初は偽ってDavisと名乗ってます)Mr and Mrs Rogers ロジャースとロジャース夫人
Mr Owenの執事とその妻Mr Owen 島を購入した謎の人物
出典：「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティー 早川書房
まとめ
アガサ・クリスティといえば、誰もが名前は聞いたことがある超有名な作家ですよね。
そのクリスティの作品の中でも、「そして誰もいなくなった」は、読んだことのある人は皆、口を揃えて「あれはすごいよね」という感想を漏らす作品。
読んでみれば分かりますが、ホントにすごいです。
洋書にチャレンジするのに最適な１冊だと思います。
意外と読みやすい上に、何よりも話が面白い！
これを読破して自信を付けましょう！
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